11 第25回行動モデル夏の学校2026 [ Behavior Modeling ]


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第25回行動モデル夏の学校2026は、対面形式を基本としながらZoomを併用したハイブリッド形式にて、2026年9月7~9日にかけて行われました。

このセミナーでは、ネットワーク上の選択理論の基礎となる行動モデルとフローモデルの講義を下敷きに、スマートフォンによるプローブパーソンデータを用いたプログラミングスタディにチームで取り組みます。都市計画や交通計画、土木計画における立地選択、目的地選択、経路選択、交通手段選択などの様々な需要予測の中での位置づけと事例紹介を行ったうえで、道路空間の再配分や観光、中心市街地再生、マーケティングなどへの応用と、プローブパーソン調査などの新たな行動調査とデータプラットフォーム手法についての最新事例を学びました。以下にその内容をまとめます。

The special seminar was held during this summer (Sep. 7–9, 2026). This series of 3 days lectures and exercises will be an insight in Model Estimation. This annual event has been held since 2002 and this is the 25th time. Outstanding researchers showed the case studies on demand estimations of location choice, route choice, and transportation mode choice used in the fields of: Civil planning, Urban planning, and Transportation planning. We learned the brand-new methods of individual behavior survey like Probe Person, and thought about how to apply it practically in real world such as: Redistribution of Road Usage, Tourism Planning, Renewal of City Central Area, and Marketing optimization.


招待講義 Invited lectures /日本語講義 Japanese Lectures / 英語講義 English Lectures / BinN Awards Ceremony / 演習 Group work / 表彰 Award


招待講義 Invited Lecture


Prateek Bansal (NUS)
AI-Augmented Choice Modeling: From Deep Learning to LLM-Generated Priors

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Prateek Bansal (NUS)

日本語講義 Japanese Lecture


柳沼秀樹(東京理科大)
AI時代の行動モデル

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柳沼秀樹(東京理科大)

佐々木邦明(早稲田大)
行動モデルの基礎

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佐々木邦明(早稲田大)

井料隆雅(東京大)
ネットワークモデルの基礎

井料隆雅(東京大)

浦田淳司(筑波大)
最適化と行動モデル

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浦田淳司(筑波大)

瀬尾亨(東京科学大学)
世界を変えるためのAI:発展と応用 / AI for Social Impact in a Changing World

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瀬尾亨(東京科学大学)

英語講義 English Lecture


Takao Dantsuji (Waseda University)
Simulation and Optimization

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Takao Dantsuji (Waseda University)

Makoto Chikaraishi (Hiroshima University)
AI for Behavior Modelling

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Makoto Chikaraishi (Hiroshima University)

Li Xinwei (NUS)
BinN Prize Memorial Lecture
A Visual Attention-Based Discrete Choice Model to Reveal Intra-Individual Preference Heterogeneity

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Li Xinwei (NUS)

BinN Awards Ceremony


Makoto Chikaraishi (Hiroshima University)


演習 Group work


課題:行動モデル推定
プローブパーソンデータ(ロケーションデータ、ウェブダイアリー)・土地利用データ・交通ネットワークデータを用いて、離散選択モデルをはじめとした行動モデルの構築と推定をグループごとに行い、成果を発表しました。



IITB

01.IITB   slide

Summary:This study develops a joint travel-choice modelling framework for Toyosu, integrating vehicle ownership, location, mode, and departure-time decisions through a common unobserved factor. Using 241 work-trip observations, the results highlight strong rail dependence, AM-peak concentration, and land-use effects on destination choice. Policy simulation shows that reallocating vacant land toward railway, industrial, and waterfront uses can redistribute work trips away from highly concentrated inner rings, supporting peak-crowding reduction strategies.

Comment:The presentation can be further improved by using clear and meaningful variable names instead of data codes. The individual and joint models should be explained more clearly, particularly their behavioural interpretation and connection. We will also work further on developing a more realistic and properly justified policy scenario based on the model results.



愛媛大学

02.愛媛大学   slide

発表概要:歩行者の回遊行動に与える要因を分析するため,実際の所要時間と最短経路を利用した場合の所要時間の比を回遊指標として定義した.この指標を用いて,豊洲のPPデータを対象に,気象条件や経路の空間特性などを説明変数として重回帰分析を実施した.その結果,建造物の密度が低いことなど,空間的なゆとりを有する環境が回遊を促すことが示された.また,街路樹密度の低下が回遊を抑制する可能性も示唆された.

感想:講義や演習を通じて多くのことを学び,成長することのできた3日間となりました.この経験を各々が研究活動で活かしていきたいと考えております.運営してくださった皆様,ご指導いただきました先生方に心より感謝申し上げます.ありがとうございました.



広島大学A

03.広島大学A   slide

発表概要:歩行者の経路選択は移動コストだけでなく,街路景観の認知に左右される.だが従来の画素比率による指標では,文脈的特徴を捉えきれない.このチームは,VLMで街路環境をテキスト化した公開データセットを用い,これを効用変数とするロジットモデルを構築した.語彙構成を主成分分析によって解釈可能な景観軸へ縮約して効用関数に組み込み,認知情報を考慮した選択行動のモデル化を試みた.

感想:新規性としていた、VLMにより得られた街路空間のテキストデータを効用関数の変数とした点について評価していただいたことにチームとして嬉しく思います。分析を進める上では、各リンクにテキスト情報を吸着させる工程に苦労しました。



広島大学B

04.広島大学B   slide

Summary:Tohoku region population is declining over the years, mostly caused by migration to Kanto region. We try to model this phenomenon by using Nested Logit with behavior vs. stay as the outer nest, and the zone of destination as the inner, utilizing Tohoku Panel Data. We believe that the decision of staying is also affected by social environment, hence we add peer share and localities attachment as regressors. These social attachments factors produce significant results except for (surprisingly) the involvement in social activities. Furthermore, we find housing as the strongest parameter and therefore recommend to ease house ownership for people who already been or planning to live long enough in the Tohoku region.

Comment:It has been a great opportunity to explore a lot of datasets before eventually choosing the panel data of Tohoku Staying/Migrating History, which we feel very rich and insightful. At the beginning, we agreed to just do simple Multinomial Logit analysis, but added with peer share as our main idea of innovation. However, the model result was too good to be true so we decided to the early model into 2 separate parts. After the 2nd esquisse session, we got wonderful comments from the lecturers on how to provide a more “make sense” model. Hence, we finally chose the nested logit model so that the previous “2-parts” model is connected and producing a better result. We feel honored for the opportunity and the guidance given. It has been a great experience learning the advancement of choice models, directly from great lecturers in this summer camp. Thank you and we really appreciate for the organizers for making this event enjoyable even under heavy rains.



熊本大学

05.熊本大学   slide

発表概要:公共交通が発達した都市部と自動車依存度が高い地方部において、居住地周辺環境の違いがトリップ数に与える影響について分析を行いました。データには松山PPと横浜PPの業務系以外のトリップを用い、トリップ数を順序プロビットモデルで推定することで二都市間の比較分析を行いました。最終的に、用途地域の混在数やトリップ数のカテゴリ間の閾値に着目し、考察を行いました。

感想:今回はB4が4人,M1の1人がサポートに入る体制で参加しました.初学者であるということもあり,B4の学生はモデルの基本的な仕組みを事前に勉強して臨みました.なかなか設定したテーマとデータセット噛み合わない中,オープンデータを組み合わせながらモデルの推定まで辿り着くことができてよかったです.来年は良い結果を残せるように成長していきたいと思います.運営の皆様,ご指導いただいた先生に感謝申し上げます.



名古屋大学

06.名古屋大学   slide

発表概要:東北在住者を対象とした居住地やライフイベントなどに関する20年間のデータをもとに、居住地選択に関する行動モデルを推定した。政策シミュレーションを行い、可住地面積あたり第三次産業事業所密度や仙台市、関東へのアクセス時間が東北地方からの流出に影響するという示唆を得た。

感想:事前準備が不十分で、期間中にデータ構造に基づいた仮定を立てた分析、政策提案が行えなかったことが悔しい。一応は政策的示唆を得ることはできたものの、一連の作業の狙いがうまく設計できないまま、場当たり的な発表に終わってしまった。一方で、統計モデルに対する理解が深まったように思うし、興味も湧いたので、非常に有意義な経験でした。



筑波大学F

07.筑波大学F   slide

発表概要:

感想:



筑波大学O

08.筑波大学O   slide

発表概要:日帰り観光客は,残り時間とその後の予定を意識しながら訪問先と滞在時間を決めているという仮説のもと,Habib型の離散連続モデルとRecursive Logitモデルを統合した観光地回遊モデルを構築しました.将来効用の価値関数をNNで近似し,計算時間を約1/10に短縮する工夫も行いました.松山市の観光客データにモデルを適用し,道後温泉が利用できない場合の回遊・効用の変化を可視化しました.

感想:メンバーの半数が2回目の参加ということもあり,それぞれの得意分野を活かしながら,チームワークを発揮できたと思います.基礎分析によってデータの特徴を把握し,推定に適したデータセットを作成し,モデルの構築・実装,推定結果の妥当性を確認しながらのパラメータ推定,さらに推定結果を用いたシミュレーションまで,一連の分析を妥協せずにやり切れたことに大きな達成感があります.また,異なる2つのモデルの長所を活かして統合するという挑戦を高く評価していただき,大変嬉しく思います.今回の経験を活かし,今後も失敗を恐れず,様々なことに挑戦していきたいと思います.



芝浦工業大学

09.芝浦工業大学   slide

発表概要:東北地方の2005~2024年のパネルデータを用い、結婚・出産・就業などのライフステージと転居意思決定の関係を分析した。動的離散選択モデル(DDCM)により将来効用を考慮した居住地選択を表現し、転居先では子育て支援や1人当たり緑地面積の影響を推定した。さらに、宮城県の児童福祉費割合を変化させ、居住割合への影響を政策シミュレーションにより検討した。

感想:学部4年生のみのグループで、初めて動的なモデルを扱うこともあり、最初は不安が多くありました。しかし、先生方のご指導や先輩方のアドバイスのおかげで、発表として形にすることができました。レベルの高い発表が並ぶ中で5位として表彰いただけたことも大変嬉しかったです。講義や他大学の発表から多くを学び、刺激を受ける貴重な経験となりました。ご指導いただいた皆様、本当にありがとうございました。



東京科学大学・金沢大学 合同チーム

10.東京科学大学・金沢大学 合同チーム   slide

発表概要:私たちのチームは豊洲のコロナ前後のパネルデータを用い、同一就業者が業務後に私事外出するかの二項ロジットモデルを構築しました。基礎分析ではコロナ禍の2020年に業務後の外出が多いとわかりましたが、これはコロナ禍とテレワークの影響が重なった状態であるとしたとき、モデルからコロナの影響を除きテレワークだけの状況を想定すると、業務後の外出が減少することが分かりました。

感想:2大学3研究室の合同チームで参加しましたが、準備や作業の進め方をそろえるのに苦労しました。今年はグループワークにAIエージェントが加わったことで、スピード感のあるコーディングが可能になった一方、タスクや役割の分担が難しいと感じました。また、シンプルなモデルでも興味深い結果が得られ、拡張すればさらに面白い分析になると感じたため、より発展的なモデルにも挑戦したい思いました。



東京理科大学

11.東京理科大学   slide

発表概要:新規交通手段の需要予測における、実観測データだけでは把握できない選好を補完する手法として、LLMを用いた仮想PPデータの生成を試みた。豊洲ー日本橋間のPPデータから利用者ペルソナを作成し、舟運を選択肢に加えた交通手段選択をLLMにより生成した。実観測PPとの比較から、時間・費用感度を概ね維持しつつ、舟運固有の選好を推定できる可能性を示した。

感想:B4の学生を中心にチームを組み、LLMを用いた交通需要予測という新しいテーマに挑戦しました。限られた時間の中で議論と分析を重ねながら研究を形にする難しさと面白さを実感しました。他チームの発表や講義からも多くの刺激を受け、今後さらに研究や勉強に励みたいという思いが強まりました。ありがとうございました。



早稲田大学

12.早稲田大学   slide

発表概要:豊洲プローブパーソン調査の同一人物 146 人・3 年分のパネルを用い,2019 年から 2021 年にかけて手段選択モデルの時間係数が変わったかを個人固定効果 MNL で検証した。回答者全員で年別に推定すると時間係数の差は有意だが,同じ人の中では車内時間と端末時間の係数に変化の証拠は無く,変わったのは徒歩時間の係数と定数項であった。鉄道分担率 −17 pt の主因は通勤日の減少とトリップの近距離化であり,どちらの年の係数を用いても施策評価の結果はほぼ同じであった。

感想:講義を通じて選択理論や行動モデルの体系を学び直せたことが大きな収穫でした。他班の発表では、同じデータからでも着眼点次第で全く異なる問いが立てられることに刺激を受け、議論を通じて自分の分析の前提を問い直す視点も得られました。今後の研究に活かしていきたいと思います。



山梨大学

13.山梨大学   slide

発表概要:本発表は山梨県のリニア開業を見据え、通勤者のアクセス・イグレス時間の短縮がもたらす効用を分析した。分析の結果、交通機関利用後のイグレス時間の方が効用に大きな負の影響を与えることが判明した。BRT整備等で時間を7分短縮すると年間約18万円の便益が生じるため、二次交通の速達化や駅周辺の開発を提言した。

感想:学部4年生3人という、少人数の編成で参加したが、最終的になんとか形にできた。最初は、五里霧中の状態でうまくいくか心配だったが、先生たちのエスキスでのアドバイスのおかげで方向性が定まり、面白い分析ができて良かった。ありがとうございました。



東大交通研A

14.東大交通研A   slide

発表概要:

感想:



東大交通研B

15.東大交通研B   slide

発表概要:

感想:



東大原研

16.東大原研   slide

発表概要:本研究では、渋谷駅周辺における歩行者の改札口選択に着目し、周辺施設や街路環境などの要因を用いて改札口選択モデルを構築した。分析結果から、人々がどのような要因に基づいて改札口を選択しているのかを明らかにし、渋谷における人流の特徴を考察するとともに、混雑緩和や今後の街づくり・都市開発に向けた示唆を提示した。

感想:渋谷という身近で複雑な都市を対象に、人々の移動をデータから分析することで、普段何気なく選んでいる改札口にもさまざまな要因が関係していることを実感しました。モデル構築から結果の解釈まで、チームで議論を重ねながら進めることで、人流分析の面白さだけでなく、都市課題をデータから考えることの難しさと重要性も学ぶことができました。



東大福田研

17.東大福田研   slide

発表概要:

感想:




表彰 Award

行動モデル夏の学校には例年、数理的にモデリングをつめられていたグループには、故・上田孝行先生にちなんだ香住賞が、行動分析によって興味深いfact findingを実現したグループには、故・北村隆一先生にちなんだDavis賞が送られます。今年度の受賞チームは以下の通りです。

香住賞:04.広島大学B


Davis賞:07.筑波大学O


総合1位:04.広島大学B

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